桃の葉芽と花芽

この記事は芽についてのお話です。

桃の葉芽と花芽を例に挙げます。

桃の枝の芽はフルでついた場合、花2+葉1

真ん中にあるのが葉になる芽、その両わきにあるのが花になる芽です。

葉芽だけのこともあれば、花芽だけのこともあります。

葉芽は固そうに縮こまっています。花芽は毛のようなものがありいくぶん柔らかそうです。

桃の芽はもう初夏には作られていて、枝が伸びるにつれて、どんどん数が増えていきます。

秋の落葉のころには枝にびっしりと芽がそろっています。

芽は冬の寒さをしのいで、翌年の春に芽吹くのです。

葉芽について

3月に葉芽が芽吹いたところです。

内側から緑色の部分が出てきました。

もう少し生長したものと比べると、芽が何だったのか想像しやすくなります。

芽の構造は内部に葉が何枚も重なって詰まっていたのです。

キャベツやタマネギ、タケノコの葉の重なりを想像してみてください。

桃の芽にも何枚も葉が詰まっていて、一番外側の葉が黒く硬い形をとって、冬の寒さや外敵から中身を守っていたのです。

この芽はやがて茎(木全体にとっては枝)を伸ばし、葉を増やして、来春のための芽と栄養を蓄えて落葉します。

芽ひとつのサイクルは一年草と同じ

もう少し伸びた葉芽を見てみましょう。

枝から元気よく伸びた芽の姿を、筆者はなつかしく感じました。

次の画像は三年前、種から芽吹いたばかりの桃です。

枝についた葉芽と、種から芽吹いた桃がそっくりな姿に育つことに気づくでしょう。

生まれたばかりの若さにあふれる桃が、今年もまたよみがえったのです。

芽と種は本質的に似ています。

一度寒さを経験しないと芽吹かないという、冬を越して春を待ってから活動する工夫も共通しています。

種から芽吹いた桃は根を持っています。

枝についた葉芽は根を出さないのでしょうか?

ご存じの通り、葉芽から直接生えた根はありませんが、葉芽から枝、枝から幹と下れば、幹から地中に続く先には、前年、前々年に先祖が代々築いた根があります。

葉芽は先祖の資産を受け継いでいるのです。

すでに根とつながっている葉芽は、空に近い場所で陽光と風をうけて、光合成によって養分を生産して根へ送ります。根からは水と地中の栄養を受け取ります。

桃の木は、芽ひとつひとつの集合体、幹や根をインフラに持つ共同住宅と考えることができます。

日当たりなど、条件の良い部分の枝は葉を広げ、多く光合成して全体を助けます。

条件の良くない枝は大きくならず、まるで筆者みたいにそれなりに生きて枯れます。

桃の木は、人間世界と同じく、個の内に全体を含んでいるのです。

花芽も見てみよう

桃の花は左右に対でつくパターンが多いのですが、これはひとつだけです。

欠損したのかもしれません。

うちはベランダに置いているので、近くを通ったときに擦ったとか、何もしてないけどなんとなく落ちたとか、そういうことがよくあります。

花芽は花を咲かせて実をつけます。桃の木の、桃になる部分です。

わかりきったことですが、桃の実の中には種が入っています。

葉芽は木に宿ったまま生長していくもので、花芽は種になって木から離れていくものと考えると、芽と種の違いはそれだけのことで、大して変わらないのかもしれません。


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